北海道の冬は長いようで短い。
11月から降り始めた雪も3月に入ればピークを過ぎ、路肩や空き地に捨てられている巨大な雪の塊もじわじわと溶け始める。溶けきった草地からふきのとうがポコポコと頭を出すが、北海道ではそれを摘んで食べる人はほぼいない。
時間が空いている限り撮影に行くようにしているが、移住1シーズン目でビビっているためか、なかなか思うような遠出ができなかった。網走を中心に、斜里、ウトロ、標津、羅臼、弟子屈など、十分日帰りできる距離に撮影範囲が限られてしまったのは悔やまれる。
来シーズン(と言ってもあと半年もすればまた雪が降り始めるが)こそは冬の十勝、帯広方面まで足を伸ばしたいし、まだまだ行けていない地域が多く、道東の広さを実感する。
日本は小さな島国と思われているが、実はとても広い。気候も幅広くそれぞれの地域で独自の文化が発展している。中でも北海道は四季の変化が大きく、時間の流れを肌で感じやすい場所だと思う。その中にいる僕は何を見つめることができるだろう。むしろ何を見たいか、なのかもしれない。
雪が雨にかわるころ、川は雪解けの水で濁り、海は色を取り戻し、雪が溶けて葉のない裸の山に鹿の姿が見える。
人は見ようとするものしか見えない。興味ないものは視界に入らないものだ。
大きな季節に包まれて、日々見たいものにカメラを向けて行くことにする。
写真家・松井宏樹
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写真家・松井宏樹のWEBサイトです。
北海道札幌市在住
Hiroki MATSUI Website | Sapporo City Hokkaido
写真展開催のお知らせ
2017年5月1日(月)~15日(月)
新宿ゴールデン街 こどじ
Open 19:00~24:00(日曜日休み)
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