流氷の見える丘 3

ゴールデンウィークが明ける頃、道東にもようやく桜前線が訪れる。もはや前線なのか最後尾なのかわからないが、鮮やかな色はそれだけで心を満たしてくれる。

ところが、網走周辺にはお花見という文化は根付いていないように思える。昼間の公園や川沿いの土手など、気持ちの良い場所は多くあるにもかかわらず、

酒とつまみで桜を楽しむ人をほぼ見たことがない。せっかく咲いた桜も、あぁ咲いた…あぁ散ったくらいの雰囲気だ。

少し推察してみるとおそらくだが、オホーツクの5月の天候は非常に不安定で、大雪もあれば夏日もありうる。

ゴールデンウィークを越えるまではスタッドレスタイヤは絶対に変えないことからも、5月の連休前後の天候に期待はできない。

当然、雪が降るほどだから寒いし、風が吹けば体感温度はマイナスになる日もある。こんな日にお花見を予定した幹事は、次の日クビにされかねない。

全く読めないオホーツクの天気で一か八かのお花見を計画するような愚か者は、母校の某農大生くらいではないだろうか…。

 

網走のとなり北見市は焼肉の町と言われていて、そろそろ各家庭の軒先で焼肉(北海道ではBBQを焼肉という)を始める季節だ。暖かくなってくると、

物置にしまっていた焼肉セットを出してきて、ホームセンターで新しい網と炭を買いだす。

結局、花より団子。防寒着を着て家の前で炭を囲んで焼肉がオホーツクの春の訪れのように感じるようだ。

これからの季節、北見を訪れる方は週末の住宅地を歩いてみるといい。きっと想像と違う北海道が見られるはずだ。

 

もう暦では1年の半分が過ぎようとしているが、カレンダーではなく生活の変化によって季節が変わっていくことを感じることが、とても楽しい。

ゆるやかに大きな流れの中で人が営んでいく尊さが、ここにはあるきがする。

写真家・松井宏樹
https://www.matsuihiroki.com/

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