100年の時を越えて。エルネマン・ボブ2のカメラ修理

カメラ修理


エルネマンは1880年ドイツで創業のカメラメーカーです。
当機は銘版にはエルネマン・ボブⅡと記載されています。1903年頃に製造された様です。
今年は2019年ですから116年前、1世紀も前のカメラになります。
なんだか想像もつかないくらいの長さですね。

きっと100年前にドイツで作った人も100年後に日本で使われるなんて思っていなかったでしょう。

そんなカメラですが今回はシャッターの粘りと収納部分のレールの修理をしました。

ご依頼品に搭載されたシャッターはクロノスBと呼ばれるエバーセット式シャッターです。
調べてみると本来はこのボブⅡには搭載されていないシャッターのようですが、載せ替えられたのでしょうか。

エバーシャッターはチャージの必要が無くレリーズすればシャッターが切れる構造です。
(大抵のシャッターはチャージ→レリーズと2段階の操作が必要になります)

ただし、レリーズ時にバネ抵抗を受けるので少し重くなり、カメラがぶれることもあります。
また意図しない時にシャッターが切れてしまうリスクもあります。ご注意ください。

部品自体はしっかりとしていたので清掃とグリスアップ等で機能改善できました。

もう一つの修理箇所のレールについてです。
このカメラは蛇腹を使用したフォールディングカメラという部類で収納時はコンパクト、広げる時はレンズボードと連動したレールを使用して大きくなるカメラです。
そしてこのレールが撮影時と収納時で分かれており収納用のレールが変形してしまっていて折りたたむことができない状態でした。

変形箇所については少しずつ矯正をしてレンズボードを修正したところ、無事に収めることができました。

Ernemann
bob2 (1903年頃)
シャッター:Cronos-B O,Z,1~100
レンズ:Ernemann Doppel-Anastigmat”Vilar” 16.5cm / f6.8