ヘリコイドってなに?

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ヘリコイドってなに?

ヘリコイドとは

オークションサイトなどでレンズの状態を表す時「ヘリコイドの動作スムーズです」とか見たことありませんか?

意味としてはピントリングの動作がスムーズな事を言うのですが、このヘリコイド(Helicoid)ってなんでしょう。

カメラ修理では切っても切れないヘリコイドですが日本語で表すと「螺旋(らせん)体」となります。
そしてカメラの世界では一般的に「多条ネジ(たじょうねじ)」で構成されたピント調整機構のことをいいます。

1条ネジと多条ネジ

普通、ネジと言うと一つの軸に頭からネジ先まで一つのネジ山(溝)でできていますよね。これが1条ネジです。

多条ネジになると一つの軸にいくつものネジ山があるのです。

で、なんでいくつもネジ山があるかって言うと少ない回転でより大きく動かす事が出来るからなんです。
移動距離は1条に対し2条だと2倍、3条だと3倍になります。

ヘリコイドなら長い距離も素早く移動

例えばカメラのレンズって1cm繰り出すのにそんなに回転させなくてもできちゃいますよね?

これを1条のネジでやるとしたら1cm繰り出すのに何回転もさせなくてはいけません。

その間にシャッターチャンスは確実に逃すでしょう…。

そんなわけでカメラのレンズにはヘリコイド(多条ネジ)が使われているのです。

ただ、スプリングカメラなど一部のカメラには一条ネジを使用したものや、カムで制御されたもあります。

一部の2眼レフカメラにもヘリコイドが使われている

グリースの必要性

またスムーズな動作を得るためにレンズのヘリコイドにはグリースを塗布させています。

このグリースが乾いたり劣化しているとスカスカになったり固着して固くなってしまいます。

スカスカな状態ですとヘリコイドを傷つけてしまう場合があります

また、固着してしまったレンズは無理に回すと思わぬ破損(別の箇所のネジが緩んだり絞りなど連動ピンが曲がったり)につながることもありますのでご注意を。

むき出しになったヘリコイド

修理の際は

当店ではマニュアルフォーカスレンズの修理を承っております。オートフォーカスレンズは修理時に基盤不良が発生してしまうと対応できないので基本的にはお取扱いしておりません。

おかしいなと思ったらお気軽にご相談ください。