ユニット化で効率化。コニカFPのカメラ修理

カメラ修理

今回ご紹介するカメラはコニカFPです。
1962年コニカFSの小改良版として発売されました。

シャッターはコパルスクエア(コパルスケヤ)を搭載しています。
コパルスクエアとはコパル社が開発した縦走りフォーカルプレーンシャッターの元祖とも呼べるものです。
それまではシャッターは布幕で横方向に走らせるのが一般的でしたが、
コパルスクエアはシャッター幕を金属製に変え縦方向に走らせることのできるシャッターユニットとして開発されました。

縦走りにすることでシャッター幕の移動距離が短くなり、より早いシャッター速度を実現できます。
そして、ユニット化されることで各メーカーへの供給が容易になりました。
シャッターが供給されることでメーカーはそれ以外の箇所の開発に力を注ぐことができるようになりました。
このユニット化された縦走りフォーカルプレーンシャッターはその後改良を重ね、小型化やさらには電子化されてカメラの主流となっていきます。

さて、このコパルスクエアはシャッターユニットとしては初期のものですので全体的に大きい構造です。
その影響でボディ自体もすこしずんぐりとした外観となってしまいました。
しかし部品はしっかりとしたものですのでユニット自体の故障は少ないかもしれません。

今回の修理は巻上の不良ということでお預かりしました。
巻き上げ機構に劣化したグリスなどによる固着があり、部品の清掃と再組込みにより修復することができました。
また、シャッターユニットと巻き上げ機構は連動しているため、シャッターユニットの点検もおこないました。
幸いユニット自体は問題がなく、清掃と注油をおこないました。

ちなみに画像の手前はファインダーとミラーボックスを格納した前板部分で奥がシャッターユニットが乗った本体側です。

Konica FP
シャッター:縦走りフォーカルプレーン
シャッタースピード:B,1秒~1/1000秒
露出計:なし(外付けあり)
フィルム:135サイズ