1969年6月に発売されたペトリカラー35Dです。
この前年に発売されたペトリカラー35の改良版でシャッタースピードが1/250秒から1/300秒に変更されました。
和製ローライなどと呼ばれることもあり、サイズ感はローライ35と同じくらいですが、使い方に少し特徴があります。
撮影前に接眼側のダイヤルを回して沈胴していたレンズを無限の位置まで繰り出します。
あとはファインダー内の指標を参考にピントを調整していきます。
露出計はファインダー内指針をシャッターダイヤルと絞りダイヤルを回して〇の位置に合わせることで適正露出を得ることができる方式です。
ちなみに巻き上げると露出計のスイッチが入る仕組みとなっています。
動いていなくても慌てずにまずは巻き上げてみましょう。
で、今回の修理はこの露出計不動とファインダー内距離指針が動かないというものでした。
電池を入れて巻き上げてみてもやはり動かず。
こうなると分解して原因箇所を探っていかなくてはなりません。
インスタの画像はトップカバーと前板部分を外したところです。
ファインダー横の円形部品が露出計です。
手始めに露出計の動作を確認します。
露出計は通電させると勢いよく動きました。まずは一安心。
この露出計が無反応だとほぼ絶望的ですからね。
さらに探っていくとー…。
実はこの画像の中に露出計不動の原因が写っているのですが、答えは……青色の配線でした。
この配線、伝っていくと電池ボックスまでつながっていますがこの接続部分と配線の一部が腐食により断裂していました。
電池ボックス周辺の断裂の原因は概ね電池の液漏れが原因です。
膨張などにより破裂した電池の中から漏れた液が接点や配線にしみこみ酸化してボロボロになってしまいます。
こうなるともう通電しないので要交換となります。
交換によって露出計も動作するようになりました。
petri color35D
シャッター:ペトリMS
シャッタースピード:B,1/15秒~1/300秒
レンズ:c.c petri 40mm / f2.8
露出計:定点合致方式
フィルム/フォーマット:135タイプ/フルサイズ