ホースマン・コンバーチブルホースマンのカメラ修理

その他

ホースマンは4×5判のビューカメラなどを販売した駒村商会のカメラです。
駒村の駒から馬でホースマンだそうです。

コンバーチブルホースマンは62mm/f5.6のレンズ付きシャッターユニットで後部にロールフィルムホルダーをつけて撮影します。
フィルムホルダーを交換することで6×6判や6×7判など各フォーマットでの撮影ができます。
光学系ファインダーはなくスポーツファインダーでの対応となり、スナップなどは目視となりますがホルダーを外して専用のピントグラスを取り付けることでしっかりとピントや構図確認ができます。

レンズ左手側レバーでシャッターチャージ、右手側レバーでレリーズです。

今回の修理は川辺で撮影中に落下、水没してしまったとのことでした。
その影響でシャッターは動かなくなっており、モルトはボロボロになっていました。

水没品は内部のサビなどにより修理が難しい場合がありますが、初見では比較的状態が良さそうでした。
お話を聞くと落下後は良く拭いて乾かし、その後のシリカゲルの入ったジップロックに入れていたそうです。

ただし、少し内部でカラカラと音がしていました。
嫌な予感とともに観察しているザラザラッと出てきたのは砂利。

砂利の混入箇所は上部の三脚ネジ穴のところからであけてみるとたっぷりとはいっていました。

こんなに入っているとは思わず、少し驚きつつも一粒でも動作に悪影響を及ぼす異物だけにしっかりと除去。
実際、この砂利が上部のフィルムホルダーのロック部品を噛んでいて不具合を起こしていました。

次はシャッター周りです。

分解してみると水気は無く、よく乾いていました。
ただし、シャッター部品のほんの一部にサビが発生していました(インスタの画像手前)ので該当箇所はしっかりとサビを落とし、注油をしました。

シャッター不動はこのサビの影響ではなく水没で流れ出てしまった油がシャッター羽根に回ってしまい張り付いていたのが原因でした。
分解清掃を行うことで機能を回復できました。
あとはヘリコイドのグリス交換、モルト交換で作業完了です。

水没品は修理が難しい場合が多いですが今回は電子系が無く構造が比較的シンプルだったこと、
水没後の対処がしっかりしていたことが功を奏したようです。

もし、水没や雨などずぶ濡れになったら
1、まずは良く拭く
2、電子部品を使ったカメラ電池をすぐに抜き動作させな(基板がショートして悪化させる場合があります)
2、シリカゲルなど除湿剤と密閉性のある袋やケースに入れる
3、早めに修理店に相談
しましょう。

Horseman(駒村商会)
Convertible Horseman
レンズ:Horsman62mm/f5.6
シャッター: コパル00番 B,1秒-1/500秒 
ファインダー:スポーツファインダー,目測式
露出計:なし
フィルム:ブローニー120タイプ

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