グリスの劣化は故障の原因に!ローライフレックス2.8Fのカメラ修理

カメラ修理


今回の修理はフランケ&ハイデッケ社が世に送り出した2眼レフカメラの最高峰ローライフレックス2.8Fです。
当機は名前に2.8という通り、レンズは大口径のプラナー80mm/f2.8を搭載しています。(シュナイダーのクセノタールが搭載された機種もあります)
フィルムは装填はスタートマークや赤窓はなく、巻き上げると厚みを感知してカウンターがスタート、1枚目にセットしてくれるオートマット機構。
巻き上げると同時にシャッターチャージもしてくれるセルフコッキングも備えています。

そんなすべての機能を兼ね備えたカメラですがご依頼品はシャッター動作しない故障が発生していました。
今回はこのシャッター不良の修理を含む全体的な分解清掃と調整修理となります。

まずはすべての部品をばらすところから入ります。
インスタの画像はレンズボードと巻上機構部をばらしたところです。
見えているのはレンズボードの繰り出し機構で茶色の汚れのようなものは劣化したグリスです。

この操出機構の部品がピントノブを回すと前後するわけですが劣化して固くなったグリスは動きを悪くしてしまいます。
動きが悪くなるということは別の箇所に余計な負荷が掛かったり、部品の摩耗にもつながりますのでこの操出機構も分解してからグリス洗浄、再グリスアップして組み直します。

巻上げ機構はグリスが劣化していたり汚れがたまった状態ですと巻上げが固かったり、スカスカと抜けたような症状が出ている事多いです。このような状態のときは部品の分解洗浄と再グリスアップで機能回復することができまます。

シャッターは羽根同士が張り付いてしまった為、こちらも分解洗浄をします。
このほか、レンズ、ファインダー、ミラー等光学系の清掃をしました。

Franke&Heidecke
Rolleiflex2.8F
ビューレンズ:Heidosmat 80/2.8
テイクレンズ:Planar 80/2.8
シャッター:Synchro-compurMXV B,1~1/500秒
フィルム/フォーマット:ブローニー/6×6